ほんの一部でしょっと

読書日記か単なる日記

日本人の桜観(さくらかん)

大そうなタイトルを付けてみる。

 

桜を見ると、「あぁ、きれいだなぁ」と思いますね。

しかし、ある本を読んで、「そう言われれば、そういう見方もできるのか」と衝撃を受け、それ以来、桜の季節になると思い出すようになりました。

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宮部みゆき著の『ぼんくら』。

主人公の井筒平八郎は、桜がきらいで、景気の悪い花だというのです。

下を向いて咲いているから。

 

それまで桜を悪く言うなんて、思ってもみなかったから、なんか記憶に残っています。

 

でも、下を向いて咲いているから、見上げたときに向かい合えて、好かれるのかな、なんて反論を思ってみたり。

 

本の本筋と関係ないw

けど、井筒平八郎の性格を垣間見せていますね。

 

具体的にはここしか記憶してない気もしますが、『ぼんくら』、おもしろい!という感情は記憶しています。

 

文体が好きで、ストーリーが気になって、登場人物が魅力的で、なにより料理がおいしそう。

 

そして不意に、わたしにとっては、死ぬ前の春までは桜を見るたびに毎年思い出す本になった、と。思いがけない場面で、記憶に残る文章に会うって面白いです。